うさぎのソアホック〜飼育環境や床材に注意〜
- 2021年01月26日
- うさぎの病気

こんにちは、ウサくらです。
昨年11月末に、我が家の颯太がソアホックを発症してしまいました。原因はケージ内の床材を変えたことにより、同じ姿勢で動かない時間が長くなってしまったからではないかと思われます。床材の変えてから発症までわずか2日半でした。
こんなに短期間で発症してしまうものなのか…と、正直軽く絶望しつつ、改めてソアホックについて勉強し、対策を行ってきましたので紹介していきたいと思います。症状改善までの経過などを「ソアホック治療記」として改めて記事にしていこうと思います。
今回は、そもそもソアホックとは何なのか?についての記事となっています。
CONTENTS
ソアホックとは?
ソアホックとは、足の裏の毛が抜け皮膚がむき出しになることにより炎症を起こし発症する皮膚の病気です。主に体重のかかる後ろ足(かかと部分)に発症することが多く見られます。また、症状が悪化し、骨まで達してしまうと骨髄炎や敗血種を引き起こしてしまう可能性もあります。
飼育環境やうさぎ自身の特性が原因で発症するケースが多く「足底皮膚炎」「飛節びらん」「潰瘍性四肢皮膚炎」などと呼ばれることもあります。
ソアホックの主な症状

初期症状は足の裏の脱毛や赤みですが、発見が遅れ初期段階で対処・治療ができなかった場合、足の裏にできた傷口から細菌感染し、皮膚炎・びらん・潰瘍などに進行してしまうことがあります。
炎症がひどくなってしまった際には、落ち着きがなくなったり、足をかばって浮かして過ごしたり、足を引きずるなど普段の行動にも異常が見られるようになります。また、痛みによるストレスなどにより食欲の減少・うっ滞・体力の低下などを引き起こし、衰弱していく場合もあります。細菌が血流を介して様々な臓器に運ばれることで、最悪の場合死に至ることもあります。
ソアホックの主な原因
ソアホックを発症してしまう主な原因としてうさぎ自身が抱える問題と、飼育環境の問題の2つに分けられると言われています。
うさぎ自身の問題
●遺伝的に足の裏の毛が薄い
●大型種や肥満など体重が重い
●運動せず1日の大半を動かずにいる
●よくスタンピング(足ダン)をする
●爪が伸びたままになっている
●年齢的なもの
大型の品種や、ミニレッキスなど足の裏の毛が薄い品種はソアホックを発症しやすい傾向にあるようです。普段の行動を注意深く観察し、定期的に足の裏のチェックをしてあげるようにすると安心です。
飼育環境の問題
●床材が合っていない
●水や尿により床が湿って不衛生になっている
●ケージが狭い
●多頭飼いによる管理不足
うさぎを飼育している環境が原因でソアホックを発症することが多いので、病院での治療と合わせて飼育環境の見直しを行う必要があります。クッション性の低い固い床材を使用している場合は柔らかい床材に変え、こまめな掃除を徹底してケージ内を清潔に保ってあげましょう。
ソアホックは治る?
ソアホックは進行度合いによっては完治は難しく、完治しても再発することも多い病気です。症状の進行具合により治療期間は異なりますが、少なくとも数週間~2・3ヶ月ほど治療を続ける必要があります。
前述の通り、ソアホックは再発しやすい病気でもあるので、治ったからといって対策をやめてしまうのではなく、うさぎが過ごしやすい安全な飼育環境を継続して保ってあげることが大切です。
家庭内でできる環境改善
ソアホックを発症しているのを確認した際は、もちろんかかりつけの動物病院への受診が最優先です。しかし初期段階のソアホックの場合、治療方法は飼育環境の改善と経過観察が主になってきます。そこで、ご家庭でできる環境改善対策をいくつかご紹介します。

床材に配慮する
最優先で考えるべき対策の一つです。ケージ内の一部に柔らかいマットなどを敷き、うさぎの足にかかる負担を少しでも軽減してあげましょう。100円均一などで販売している給水マットや、吸水性に優れたバスマットなどを複数枚用意し、汚れたら交換を繰り返しマットの上が常に清潔な状態であるようにしておきましょう。
かじり癖があり、布を食べてしまううさぎには不向きなため別の対応を考える必要があります。
緑や茶色のマットを使用し、かじり癖に困っている飼い主さんは、ピンクなど派手で自然界にない色のマットを使うことで改善することもあるようです。100円均一のマットなどで試してみる価値はあるかもしれませんね。さらに、フリースなど毛が短くほぐれやすい素材もオススメです。
ケージ内を清潔に保つ
こちらも床材と合わせて最優先で考えるべき対策の一つです。給水器の水や尿で床が濡れていたらすぐに拭き取るなどして、ケージ内を清潔に保つようにしましょう。
ケージを広くする
ケージの中である程度自由に動けるよう、ケージをワンサイズ大きくしてあげると良いでしょう。さらに、トイレ以外の場所で尿をしてしまう場合、いっそのことトイレを取り外し、平らな面積を少しでも広くしてあげるのもオススメです。もちろん掃除は大変になりますが、愛するうさぎのためならば苦になりません。

定期的な爪切り
爪が伸びすぎていると後足の前方に体重をかけられず、かかと部分に負担がかかってしまいます。ソアホックの他にも、カーペットなどに爪が引っ掛かって抜けたり、骨折したりなどケガの原因になります。伸び過ぎないよう、定期的に爪切りをしてあげましょう。ご自宅での爪切りが不安な場合は、ペットショップや動物病院で切ってもらうようにしましょう。
患部にワセリンを塗る
飼い主の不在時など、尿などにより患部が汚れてしまうのを防ぐため、足の裏にワセリンを塗り肌に直接汚れが触れないようにするのも一つの手です。塗りすぎるとベタベタになってしまうため、ほんの少し塗ってあげる程度でOKだと思います。
フローリングでの部屋んぽを避ける
フローリングは足への負担が大きいため、部屋んぽをさせる際は厚手のラグやジョイントマットを敷いた上で遊ばせるようにしましょう。

足の裏の消毒
足の裏に傷ができてしまっている場合は、定期的に消毒してあげることも重要です。簡単に消毒を行える方法として、イソジンなど、ペットに使用可能な消毒薬を含ませたタオルを敷いたキャリーにうさぎを入れ、数分間その中にいてもらいます。消毒液の染み込んだタオルの上をうさぎが踏み踏みしてくれるため、これだけで消毒は完了です。
足の裏をキレイにしてあげたい時は濡れたタオルをキャリーに敷いて、その中に数分間うさぎを入れておきます。その後、乾いたタオルの上をしばらく歩かせてあげればOKです。
ペット用のイソジンを使う場合はそのまま使用し、人間用のイソジンを使う場合は10倍に薄めて使うようにしましょう。人間用を使う場合は「うがい薬」ではなく、必ず「消毒薬」を使用しましょう。
うさぎ用の靴下をはかせる
うさぎ用の靴下をはかせることで、足の裏の患部を保護することができます。かえってストレスに感じてしまったり、不在時に脱いでかじってしまったりする可能性もあるため、余程の状態でない限りは上記の対応までで問題ないかと思われます。
終わりに
少し長くなってしまいましたが、うさぎのソアホックと自宅でできる対処法について記載してみました。どんなうさぎでも発症してしまう可能性のあるこの「ソアホック」。
発症してしまうと完治までは長い期間を要します。日々の予防と掃除など根気強く行い、こまめにうさぎの様子をチェックしてあげることが大切です。
我が家でも、ふうたが広範囲のソアホックを発症したことにより、改めて学び・考え直すきっかけとなりました。

治療日記第1回はこちら
颯太(ふうた)ソアホック治療日記vol.1〜発症までの流れ〜
