颯太エンセファリトゾーン感染〜Ez症とは?
こんにちは、ウサくらです。
先日、我が家の長男坊「颯太」がエンセファリトゾーン症に感染してしまいました。
本カテゴリーでは治療や経過の報告・我が家で行った対処法などを紹介し、同じ症状と闘っている飼い主さんや突然の発症で頭が真っ白になってしまった飼い主さん(実際僕もそうでした…)にとって、少しでも助けになれば良いなと思っています。
初回記事となる今回はこの「エンセファリトゾーン症」について、簡単に説明・解説をしていきたいと思います。
CONTENTS
エンセファリトゾーン症とは
エンセファリトゾーン(Ez)という胞子型の寄生虫による疾患です。脳や腎臓、眼などあらゆる場所の細胞内に寄生し、増殖することで体調不良を引き起こします。
健康な多くのうさぎも体内に宿し感染歴があると言われていますが、基本的にそのほとんどは無症状であることが多いとされています。
しかし、食欲不振などの体調不良やストレス、免疫の低下などがトリガーとなりある日突然発症してしまう日和見感染症と考えられています。
エンセファリトゾーン症の症状は?
エンセファリトゾーン症に起因する主な症状は次のとおりです。
神経症状
●斜頸
首が傾いている状態です。おそらくほとんどの飼い主さんが異変を感じ、受診するきっかけとなるのがこの症状ではないかと思います。
治療をしても斜頸症状は後遺症として残ることもありますが、水を飲んだり、食事を食べることができれば斜頸があっても寿命を全うすることができます。
●眼振
眼が左右に揺れ続ける症状です。脳神経の異常が症状として眼に現れている状態です。眼振が落ち着けば、視覚は以前の通りに戻ると考えられています。
こちらも飼い主さんが気付きやすい初期違和感の一つと言えるかもしれません。
●歩行困難・ローリング発作
平衡感覚を失いまっすぐ歩けなくなってしまいます。また、同じ場所でグルグルとのたうち回るように暴れるローリング発作を起こすこともあります。
斜頸が出た直後はうまくバランスがとれず、立ち上がることが難しくなってしまいます。慌てて押さえつけたり無理に固定しようとすると、骨折などの重大な事故につながる恐れがあるため注意が必要です。
無理に固定しようとするよりもケージ内で転んだり、発作が起こっても怪我をしないよう環境を整えてあげることが大切です。
眼症状
寄生虫がいる方の片眼だけに症状が見られる傾向にあります。症状はEz症特有の症状ではないため、その他の原因や合併症による可能性も考える必要があります。
●しょぼつき・赤み・流涙
眼を開けにくそうにしていたり、眼のふちが赤くなったり、涙が増えたりします。
Ez症に限らず多くの眼科トラブルでみられやすい症状です。痛みや炎症のサインとなります。
●ぶどう膜炎
眼球内部の血管が豊富な膜組織に炎症が起こり、痛みなどの症状が出ます。白内障やぶどう膜炎が進行することで、緑内障を起こすこともあります。
●白内障
水晶体が白く濁ってきます。これにより視力の低下を招きます。
治療法は?
エンセファリトゾーン症の治療法は駆虫薬や抗生剤などの投与が主となります。
投薬による完全な駆虫は困難なため、うさぎ自身で症状を抑制できるよう体力や回復力・免疫力の向上を目指すことが多くなると思います。
自宅での対処方法は?
斜頸などのEz症の代表的な症状が出てきた際、自宅で行う(我が家でも行った)対処法についてご紹介します。
※早期に動物病院を受診し、投薬治療が行われていることを前提としています。
●転倒・ローリング対策
バランスが取れず転倒してしまったり、ローリング発作を起こした時の対策が必要となります。
ケージに激突したり、ケージに足を引っ掛けて骨折してしまう事故を防ぐため、ケージの内側をクッションやパッドなどで覆い衝撃から保護できるよう環境を整えてあげましょう。
重度のローリングがある場合は、小さめのケージやキャリーなどに入れて身体が動かないよう保定してあげることも対策の一つです。
この場合は、食事や飲水補助などの介助が必要となります。
●トイレの撤去
段差のないトイレを準備したり、思い切ってトイレを撤去し、ケージ内の段差をなくしてあげることも大切です。
その際はうさ飼いさん御用達のSUSUマットなど吸水性・クッション性の高いマットを床に敷き、できるだけ身体が汚れないようにしてあげましょう。
同時に、転んで起き上がれず寝転んでいる際の床に面している部分を保護してくれる役割も担っています。
不衛生にならないよう、こまめに交換し清潔な状態を保ってあげましょう。
●飲水ボトルからお皿タイプに
斜頸が出ているうさぎは、上を向いてボトルからお水を飲むことが難しくなります。
ひっくり返さない重めのお皿で与えたり、お皿タイプの給水器に変えてあげると良いでしょう。
●強制給餌・飲水介助
眼振が出ている状態のうさぎは、人間が船酔いや車酔いをしている状態に近いと言われています。
自力でごはんを食べられない場合が多いため、我が家では1日4回以上(合計40gのペレットを平均6回に分けて)の強制給餌と飲水介助を徹底して行いました。
我が家で行ったその他の対策については、近いうちに別途記事としてまとめようと思います。
終わりに
エンセファリトゾーン症に関して、症状や原因、自宅での対策について簡単にまとめてみました。
短めの記事にするつもりが随分と長くなってしまいました・・・
次回からは颯太の闘病の記録や我が家で行った対策などをご紹介していけたらと思っています。
ある日突然発症し、うさぎと飼い主をパニックに陥れるEz症。本記事・以降の記録が闘病中のうさぎさんや飼い主さん、急な発症で戸惑っている飼い主さんたちにとって少しでも有益な情報であれば良いなと思っています。
第2話はこちら
颯太のエンセファリトゾーン治療記〜発症後自宅で行った対策編